2024年8月21日
タンクレスのシャワートイレが壊れた。設置して16年が経過。メーカーに問い合わせたら、すでにその商品は廃番になっていて「修理はできない」と告げられる。
そして4社から新品購入のための見積もりを取った。3社は「マンションの資産価値を考えますと、便座ごとすべて取り替えた方がいいですよ」という話を持ち出し、提示された総費用は33~42万円。シャワートイレはいちおう家電製品で、それにしては高すぎると思い、結局「便座はそのままで上だけを替えます」というメーカーと業者に決めた。見積りでは約19万円で、ここに至るまですでに1カ月が経過。そして8月中旬をすぎてようやく設置工事も終わってホッとしたが、その間、我が家はマンションの2カ所にある共用トイレのお世話になった。
これがちょいとしんどい。なぜなら60代に入って恥ずかしながら夜間にトイレに行く回数が増え、12階の我が家から3階と4階にある共用トイレまでエレベーターを使って移動せねばならないから。夜中なので通路では差し足忍び足。用を足すのも結構疲れた。
そのときこう思った。この程度でストレスがたまるのだから、もし地震や洪水で被災したときには生理現象の処理にはとても疲れるのだろうと…。今までニュースで被災地の模様を見てきてその辛さはわかっているつもりだったが、別のアングルでその大変さを痛感。ようやく我が家で用を足せるようになった私は工事にやってきたスタッフに「ご苦労さまでした」と声をかけたが、同時にトイレに向かっても「ありがとな」とつぶやいてしまった。
2024年3月12日
2023年10月17日
10月半ば、私の自宅の前にある東京・下町の公園では毎年恒例のジャズ音楽祭が開催された。曇り空だったが多くの人が駆け付け、各所でライブ・パフォーマンスに耳を傾けた。
一方、同じような音楽祭はイスラエルでは「修羅場」と化した。パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスによる一斉攻撃を受け、音楽を楽しんでいた大勢の人が命を落とし、すぐにイスラエルが軍事行動に出た。そして連日にわたって世界主要国のトップニュースになっている。すでにロシアのウクライナ侵攻で世界の地政学上のリスクは高まっていたが、そこにまた火種が加わることになった。
日本は多くの社会的問題を抱えているとはいえ、銃弾は飛び交わないし、テロも起きていない。スーパーに行けば食料は調達できるし、価格が高騰したとは言え、ガソリンなどの燃料が枯渇する事態にはなっていない。水も食料も電力も医療も絶たれたパレスチナ・ガザ地区の人々を見ていると、なんだか申し訳ない気分になってしまうが、とりあえず「安全」という名の国家財産?のおかげで私たちは日々の暮らしを送ることができている。
さてここから先は2つの方向性があるだろう。この「安全」の中にとっぷりつかっていれば社会の変革は求めないという「守り」に徹した生き方と、自分の「安全」を守るには他者の暮らしも支えていくというある意味「攻め」の姿勢を取るという生き方…。モノづくりの実績と感覚、さらに技術では世界の大国だとは思うが、世界の不幸を幸福に変えるためにどう動けばいいのかというスタンスは見えてこない。
和音(コード)が記入されたコード譜やメロディー譜を用いるジャズはリズム優先の自由な音楽だ。かといって旋律優先のクラシックを邪険にすることはなく、過去の名曲を「ジャズ化」してしまう柔軟性を持っている。それに比べて一部の宗教と政治は頑なに他者を寄せ付けようとしない。キーボード、ウッドベース、ドラムの3つ楽器だけでリズムとメロディーを刻んでいたトリオの演奏を聴きながら、武器に頼る者の愚かさへの怒りがこみあげてきた。もっと「愛と包容力」があれば…。きょうもまた宇宙の中の限りなく小さな星の上では、奇跡に等しい大事な命が無残にもむしり取られている。
2023年9月8日
アキレス腱炎がなかなか治らない。歩いただけで赤く腫れ、消炎剤を塗って寝る日が続いている。鍼治療と超音波治療は残念ながら効果はなかった。筋膜ケアで治す…という整体クリニックに行くと1回で5000~8000円ほどかかるので、諸物価高騰で前月比の支出増加が続く現時点での家計からすると腰を引いてしまう。それでもゆっくり走ったりしているのでテーピング用のテープと冷却スプレーが毎回、必要なのだが、これも結構費用がかかる。太腿の内転筋にも違和感があるし、手術歴ありの膝はそろそろ限界に近づいているようだ。山に登り、フルマラソンを年1回走るという目的を果たせばいいので、さほど体に負荷をかけているとは思わないのだが、60歳を超えた当方の肉体は「復元力」が激減。激安ショップで買った1つ150円の足首用サポーター2つだけが、最近手に入れた数少ない「味方」のような気がしている。
インターネットで検索すると、アキレス腱炎になると踵の部分とのつなぎ目にあるトゲ状の骨の出っ張り(踵骨棘)も痛くなるケースが多いとされていたが、まさに私はその通り。とにかくこれまで生きていて、歩くことがこれほどしんどいのは初体験である。
残された唯一の対処方法は運動も山登りもせず、長期間、負荷をかけないで休むことなのだが、長年にわたってスポーツが生活の一部だっただけに、それを実践するのはカナヅチに泳げ、リズム感がないのに踊れ、音痴なのにうまく歌えと言っているようなものだ。
温浴効果を期待して下町の銭湯にちょくちょく通っているが、夕刻に足を運ぶと高齢の常連さんがズラリ。そこはサウナがないので若者があまりやって来ない銭湯なのだが、カランの前に20人近いお爺さんたちが座る(うずくまる?)姿は、ある意味壮観で、自分自身も仲間外れでないことを意識させられる。
アキレス腱炎で悩む中高年のランナーや登山愛好家はかなりいると思う。なので若手の起業家諸君、今がチャンスだ。これをすぐに治せるメソッドと商品を開発すれば、グルコサミンのサプリ以上の市場を開拓できるのだ。都内の銭湯は1回500円。コスパ的にこれを下回ってくれるなら、このおじさんはすぐに飛びつくことをお約束します。
2023年6月2日
バナナを4本売りから3本売りにして、なおかつ値上げしていた近所のスーパーマーケットがこれまで展開していた部分的値引きサービスを一斉に廃止することになった。60歳以上は月曜日と火曜日に5%引きだったが6月いっぱいで終了。毎週2回発行されていた10%の値引き券もなくなり、子育て支援世帯の値引きサービスもピリオド。代わって200円ごとに1ポイント(1円)が付与されるというシステムになるようだが、1万円の買い物をしても実質的に値引きされるのは50円ぽっきり。60歳以上が10%の割引券を持って月曜日か火曜日に買い物をするとこれまで計15%の値引きとなっていたのに、来月からはその30分の1の0.5%しか「恩恵」に授からないのである。店内の告知には愕然としてしまったが、それだけスーパーマーケットも崖っ縁に立っているのだな、と痛感してしまった。
異次元の金融緩和とはいったい何だったのだろう?インバウンドの増加というかすかな活況はあるものの、エネルギーも食料も海外に依存しているこの国が現時点で経済的に機能しているとはどうしても思えない。収入は伸び悩み、年金は減り、その一方で物価や税金、社会保険料が上がっていく歪な社会構造。少子化対策も含め、近未来につながるきちんとした戦術や戦略を提示して、それを実行できるしっかりとした行動力を持った人物が現れてくれることを切に願うが、もしかしたらそれは当面、先送りされるのかもしれない。 男子サッカーのW杯では日本代表が世界を驚かせ、大リーグやNBAでは日本人選手が活躍している。ゴルフのマスターズ、女子テニスのメジャー大会でも日本人選手が優勝。スポーツ界には世界で通用する選手がいるというのに、なぜ政治や経済では世界トップクラスの人材が出てこないのだろう。 くだんのスーパーでは開店直後に大幅値引きのパンや和菓子類が入ったワゴンが置かれている。しかし大幅値引きといっても数年前の定価と変わらない値段。私の目の前ではそれを手に取ったあと、その値引き額に落胆したのか?商品を元の位置に戻している妙齢の女性がいた。ぜひ政財界の日本のリーダーにこの情景を見てほしい。セール品の価格が意味を持たない現状は、もはやあるべき姿ではないと思うのだが…。
2022年9月20日
喉が痛くなり咳が出て熱が出た。
まずいと思い、ネットで見つけた病院の発熱外来に予約を入れてPCR検査を受けたら陽性だった。不運の中にかすかな幸運があったとしたら、その病院の住所は我が家と番地だけが違う「ご近所」で、そうなるとわざわざ遠く離れたホテルで隔離するもの違和感があったのか、主治医も保健所も自宅療養以外の選択肢を与えることはしなかった。
しかしその翌日、熱は39度を突破。「これは緊急通報案件かな?」と思いつつも、これまたどこに運ばれていくのかわからないので、腹をくくって解熱剤でしのぐことにした。褒められた選択ではなかったかもしれないが、妻と「自宅内別居」をしながら静養し、陽性判明から4日目に平熱に戻り、三途の川を渡らずにすんだ。肺に基礎疾患があるのでリスクが高かったのだが、なんとか処方された薬だけで乗り切った。
しかし平熱になって仕事に戻って10日目。また咳が止まらなくなった。今度は持病の咳喘息。1週間、なんとか薬なしで頑張ってみたが、咳込んで夜も眠れない。やむなくまたしても病院に足を運び、ステロイドとアドレナリンβ刺激薬の配合剤(ブデホル)を処方してもらい、3日間で抑え込んだ。
新型コロナのワクチン接種では1回目を受けた12時間後に50年ぶりにヘルペス(帯状疱疹)を発症。厚生労働省は頑としてそれをワクチン接種の副作用として認めていないが、肋骨と背中に激痛を伴うこの病気の治療に3週間かかってしまった(コロナなら4日だというのに)。皮膚科の主治医に聞いたら、私のようなケースが多いのだと言うし、現に中学の同級生は2回目接種のあとにヘルペスを発症している。納得がいかなかったのは言うまでもない。
推測だが、コロナウイルスというのはそれ自体の症状をもたらすだけでなく、その人の弱点に次々にスイッチを入れていくのではないかと思う。だから後遺症に苦しむ人も多いと考えているのだが、この疑問にはおそらく「答え」はないのだろう。
ちなみに陽性反応後、私の右手人差し指と親指にはかすかにしびれが出て、それは今も残っている。ピークアウトしても油断は大敵。コロナのワクチンは打てないが、インフルエンザのワクチンは接種しようと思う。それが私にとってはせめてもの「冬の対策」になるような気がしている。
2022年8月4日
奥多摩の御岳山(みたけさん)に登り、かつて宿坊だった民宿風の旅館に1泊した。
標高900メートル。平地より気温は3度から4度ほど低いので、猛暑の中でもしのぎやすかった。この山の「映えスポット」となる岩石園(ロックガーデン)も2時間半ほどかけて一周。「東京の奥入瀬」と看板に書かれていたが、確かにせせらぎの中を歩くのは気持ちがよかった。2つの滝があって巨岩と巨木に囲まれているトレッキングコース。しかし旅館のスタッフに尋ねると、観光で訪れる人はまだ最盛期にはほど遠いのだという。 これも新型コロナの影響だろう。
東京都民の私にとって、もし他県で症状が出たらその自治体に迷惑をかけることになるので、東京都内で旅を完結させることはとても大切。なので、あとしばらくは奥多摩は自分にとっての「奥座敷」のような感覚であり続けるかもしれない。
旅館のすぐ前からは下界の夜景が見えた。標高900メートルの東京都から見る平地の東京都。北アルプスを登山の「主戦場」にしていた私はこれまで標高が低いゆえにここを敬遠していたが、いざ足を運んでみると高さでは表現できない満足感を味わえた。 目の前の巨木にはムササビの巣箱。旅館のご主人に「夜10時くらいに山の上から戻ってくるかもしれません」と言われしばらく待った。そして現れた。ムササビではなくタヌキが…。
これもまた旅の面白さ。近場も決して悪くないなあと思いながら、翌日、日の出山というもう1つの900メートル級を制覇して「都内の旅」を終えた。
2022年5月30日
子供ころ好きだった某メーカーの有名なスティック状のスナック菓子を数十年ぶりに買った。開封して驚く。昔と比べて長さが3分の2,太さは4分の1…くらいになっていた。値段そのままに量を減らすやり方はすでにヨーグルトや納豆、ポテトチップで慣れてはいたものの、長さと太さに関連する「減量方式」は初体験。やはり何かがおかしい。そう思わざるを得なかった。
近場のスーパーのレタスの特売日。1玉98円のレタスを妙齢の女性が品定めしていた。そして1つをチョイス。そこまではありふれた光景だった。しかし周囲に散らばっていた他のレタスからちぎれたと見られる葉っぱをかき集めだす。98円以上の価値をそこに求めたのか?次に買い物の順番が回ってきた私はマネできなかった。
有名メーカーながらセール品の牛乳を買った。手頃な価格。しかしまたワナ?が待ち受けていた。牛乳の大きなパックは1リットルだと信じていた私が愚かだった。よく見ると「900ml」と書いてある。激安スーパーで販売されている納豆1パックは39円で価格は安いのだが、納豆そのものの味がまずすぎて食せない。激安&大容量のキムチの食品成分をよくみると増粘多糖剤、人工甘味料、そしてまさかの着色料…。「安いものには訳がある」。そんなセオリーをあらためてかみしめる買い物となった。
賃金が増えないと購買意欲が減少。そこをカバーするためにメーカーは値段を据え置こうとする。すでにその我慢の限界を超えた?小麦粉や乳製品は値上げに転じているが、次第に「本物の味」と「本来の量」が消えていっているような気がする。買い物をする際にはよく商品を吟味すること。最近、そう覚悟して店の中に入る機会が増えたと感じているのは私だけだろうか…。