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オプションの道しるべ

オプションの正体

現物や先物を使った取引では、買うか、売るか、何もしないの3つをうまく使い分けます。保有している商品が、思惑とは逆の動きになった場合はポジションを縮小して悪い流れが収まるのを待つしかありません。

相場が右肩上がりに上昇するのであれば、いやな時期が過ぎ去るのを辛抱強く待っていれば必ず報われます。

右肩上がりの相場を信じることができないならば、どこかで踏ん切りをつけなければなりません。あるいは、下げ相場で儲けることも考えなければなりません。オプションは、普通の損益の出方に飽き足らない人が少し変わった損益の出方を楽しむための商品です。

オプションは上がる下がるのほかにも複雑な動きをします。単品だけでも変わった動きをしますが、さらに複数の銘柄をを組み合わせたり、先物と合わせて売買することもできます。

オプションを使えば、荒れ相場であろうが、値動きのない退屈な相場であろうが、ジリ高が長い間続こうが、どういう環境下でも儲かる方法は必ず存在します。オプションを使うことで変幻自在に相場に立ち向かえるのです。

しかも正解はひとつだけではなく、たくさん存在します。これがオプションの魅力でもあり難しいところでもあるのです。結果は一つでも、正解がたくさんあるという点は、勝ち目が何通りもあるルーレットに似ています。ルーレットは盤が歪んでない限り、リスクとリターンは算術的に計算できますが、オプションではオプション価格が人間の欲望によって左右され、理不尽な値段がつくこともあります。その結果、リスクとリターンに偏りが出たりする泥臭さがあるのです。そうした人気や欲望でオッズが決まるところは、競馬と似ており、完全な確率で決まる宝くじとは最もかけ離れています。

とはいうものの、たくさんある銘柄の中から、基準を決めて有利そうなものを選び、不利そうなものを避けるためにはある程度の数学的な要素は必要となります。

正解(結果的に儲かる方法)がたくさんあるのはありがたいことですが、それはもちろん事前には分かりません。分かる方法があるなら簡単に億万長者が続出してしまいます。

オプションでは、儲かる条件が緩い方法もあれば、諸条件がいくつも重らなければ儲からない厳しい方法もあるのです。儲かる条件が緩い方法を選べば、勝ちやすいのですが、その分勝ったときの儲けが少なく、逆に大きな損失の可能性があるのです。

そうした儲かる条件が緩い方法の中には、普段はあまりメンテナンスの必要もなく、「簡単で手軽そうに見える手法」がころがっているのも事実です。そうした方法を使えば、「年金がわりになるかも?」という淡い期待もうまれがちです。

分別ある投資家なら、おいしそうな方法には必ず裏があることは「最初のころは」理解しています。また、口うるさい先人達からもそういうものだと教わります。実際に、最初の頃はその教えを守って慎重にトレードします。しかし、実際にやってみると、先人の教えがウソのように簡単に儲かります。

おそるおそる始めてみると、ほとんど大過なく、恐ろしいくらいうまくいくのです。誰かが儲ければ誰かが損をする仕組みだと理屈は分かっていても、うまくいって気分が悪いはずはありません。しかし、ここで勘違いをしてはいけません。

当然ながら、世の中は公平にできていて、特別な技能もなく、努力も大してしてこなかった投資家が勝ち続けることはないようになっています。始めるタイミングによってはいろいろな経緯をたどりますが、必ず最後は帳尻があうようになっているのです。帳尻があったり多少マイナスになったとしても、何かが身についていればまだましではありますが、なにも残ってないことが多いものです。何年も費やして、先人の教えの意味にようやく気づくのです。

オプションブログ見ればその辺の事情はよくわかります。勝率の高い売りオプションを使って長期間生き残っている投資家はブログ界には皆無だといっていいでしょう。最初は将来の夢を語り更新も本当に楽しそうです。にもかかわらず、多少の曲折を経た後、ある日突然更新が終わっています。

売りオプションを駆使して勝ち続ける投資家は大勢いますが、そのような人はまずブログなどやりません。売りを主体にする手法は、ブログをのほほんとやるほど悠長なものではなく、神経を使う泥臭い方法だからです。

その一方で、買いオプションをたまに効果的にやる投資家はブログ界にいます。たまに効果的にやるということと、それをたまに発信するのであれば、ブログとの親和性は高いといえるかもしれません。

オプショントレードというものは、それ自体に魔法や必殺技がありません。ましてや必勝法といえるものもありません。オプションを使えば、単にリターンの出方を方を自由に選べるということにすぎません。しかし、このリターンの出方を自由に選べるということを、いつの間にか都合よく勘違いしてしまう投資家があまりにも多いのです。投資家が自分で勘違いする分にはいっこうにかまいませんが、最後はつじつまがあう方法を、必勝法だとうそぶいて人に教える中途半端な素人はいただけません。本気でそう思っている場合もたまにありますが、大半は稼ぎたいだけの確信犯です。